1 概要
食品包装工程では、食品表示や消費期限を熱転写インクリボンでラベルに印刷し、包装時に貼り付ける方法が一般的である。一方、ラベル資材の使用による環境負荷や、インクリボンの頻繁な交換に伴うダウンタイムが課題であった。これらの課題に対し、コニカミノルタは株式会社フジパックシステム、株式会社エムエスティと共同で、食品包装機上でフィルムに直接印刷できるインクジェットプリントシステムを開発した(Fig. 1)。独自の水性インクと印刷・乾燥技術により、フィルム基材への印刷適性と定着性の課題を克服した。このシステムは、食品表示の文字情報に加え、「新発売」などの販促表示やロゴも直接印刷できる。ラベル資材の削減と交換作業の省力化を実現し、環境負荷の軽減と生産効率の向上に貢献する。
Fig. 1 Food packaging machine with integrated water-based inkjet printing system
2 詳細
■構成
JAPANPACK 2025で初披露したコンパクト横ピロー包装機に搭載された水性インクジェットプリントシステムを紹介する(Fig. 2)。プリントシステムは、インクジェットユニットと乾燥ユニットで構成される。インクジェットユニットで搬送中の包装フィルムに製品名や食品表示などの可変情報を印刷し、続いて乾燥ユニットでインクを乾燥・定着させる。
Fig. 2 Compact horizontal pillow-packaging machine with integrated water-based inkjet printing system (exhibited at JAPANPACK 2025)
その後、印刷済みフィルムを食品を包み込む形状に成形し、熱シールおよびカットを施して個包装を完成させる(Fig. 3)。この一連の工程により、可変情報の記録を要する食品包装工程の効率化を実現する。
Fig. 3 Individually wrapped baguette sandwich with a water‑based inkjet‑printed wrapper
■機能/特長/用途
コニカミノルタが提供する水性インクジェット技術は、多様な基材に対して高画質印刷を実現する。新開発のデジタルプライマー技術は、カラーインクの直前にプライマーを印刷し、画質を損なう滲みやハジキを抑制する(Fig. 4)。
Fig. 4 Overview of digital primer technology
さらに、インクの樹脂設計によりフィルム基材への高い定着性を確保し、印刷されたインク塗膜はマヨネーズのような油分に対して高い耐油性を有する(Fig. 5)。これらの技術はプリンターの小型化を促進し、包装機への組み込みを容易にする。水性インクは食品包装用途を前提に設計しており、有機溶剤中毒予防規則に非該当で、厚生省告示第370号のポジティブリスト制度に対応する。これにより安全性を確保し、食品工場で安心して使用できる。色のラインアップはレッド、イエロー、グリーン、ブルー、ブラックであり、商品名や販促表示、ロゴなどの印刷によりアイキャッチ性を高め、多様なニーズに対応する。
Fig. 5 Oil resistance of printed images: mayonnaise exposure test
■今後の展望
今後の展望として、包装フィルムデザインの共通化を推進し、食品包装工程の効率化とコスト削減を図る。多様な製品ラインナップに対し、基本デザインを統一した包材を採用し、必要に応じてインクジェットで可変情報を印刷する仕組みを構築する。これにより、包装資材の在庫管理を簡素化し、余剰在庫の廃棄を削減する。顧客ニーズに応えつつ環境負荷を低減する持続可能な包装ソリューションを提供していく。