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巻頭言

巻頭言

社会・環境課題をイノベーションで解決し持続的な社会を実現 Realizing a Sustainable Society by Solving Social and Environmental Issues through Innovation

高橋 壮模

コニカミノルタ株式会社
執行役員 サステナビリティ統括部長

高橋 壮模

Takenori TAKAHASHI

Corporate Vice President
General Manager, Corporate Sustainability Operations
KONICA MINOLTA, INC.

 2015年に国連がSDGsを提唱して以来,早くも6年が過ぎました。近年の新型コロナ感染症の発生により社会・経済は大きな影響を受け混乱が生じ,社会課題の解決が世界中で求められていると認識しています。当社においても,パルスオキシメーターや検温システムなどの提供で少しでも課題解決の一助になればと努めております。
 SDGsでは2030年までに達成すべき17の目標が掲げられ世界中で活動が進められています。当社においては,SDGsへの対応,ESG経営は経営戦略そのものであるとの考えのもと,積極的に取り組んでおります。当社の経営ビジョンは2つの言葉から成ります。
(1)お客様の「みたい」を実現することで,グローバル社会から支持され必要とされる会社
(2)人と社会の持続的な成長に貢献する,足腰のしっかりした進化し続けるイノベーション企業
即ち,当社は常にイノベーションを起こし,社会・環境課題を解決することで成長すると共に,社会から必要とされる会社であることを目指しています。
 当社は2030年を見据えた長期ビジョンと,中期経営計画「DX2022」を策定し2020年から活動を始めました。中期経営計画の策定にあたっては,2030年に当社が取り組むべき社会課題を明確にし,バックキャスティングにより中期的に取り組むべき課題を設定しました。SDGsのフレームワークを利用して2030年の社会・環境課題を抽出。それらを当社事業との関わりから重要度を評価し,取り組むべき5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。これらを踏まえ,当社の目指すべき姿がより一層明確になったと考えています。
 ① 働きがい向上及び業活性化
 ② 健康で高い生活の質の実現
 ③ 社会における安全・安心確保
 ④ 気候変動への対応
 ⑤ 有限な資源の有効利用
これらのマテリアリティは,当社が持つ人財,技術などの無形資産を活用し事業を進化させることで大きな社会価値を生み出せる重要課題を示したものです。さまざまな社会課題が顕在化するなか,解決するためのイノベーションが求められます。当社は,「見える化」により現場で働く人の業務フローを変革し,さらにその先にある社会や人々の豊かな生活に貢献していきます。 「① 働きがい向上および企業活性化」では,働き方の多様化が進むなか,場所を問わず生産性を高めクリエイティブな働き方を可能にするソリューションを提供し,生きがいや働きがいと企業の成長を支援していきます。「② 健康で高い生活の質の実現」では,遺伝子検査技術や独自の画像診断解析を用いることで,未病検査プラットフォームの提供や創薬支援に貢献します。「③ 社会における安全・安心確保」では,非接触・遠隔で工場やプラントなどの監視や検査を可能にします。異常や危険を予知・予測し事故を未然に防ぎます。 「④ 気候変動への対応」,「⑤ 有限な資源の有効利用」では,当社独自の材料技術や検査技術によりCO2削減と資源の有効利用に貢献します。また,当社が提供する印刷産業におけるオンデマンド生産により,お客様の生産工程を従来のシステムから変革し生産効率向上を支援します。生産効率を高めることで,お客様のCO2削減につながり,お客様での資源抑制にも貢献します。今号のテクノロジーレポートでは,これら5つのマテリアリティを視点とした技術開発や社会課題の解決につながる活動の一部を紹介いたします。
 当社では顕在化した社会・環境課題のみならず,潜在的に存在する課題についても研究・開発者が自分事化し,イノベーションを起こし解決に努めております。5つのマテリアリティを基軸とした中期経営計画「DX2022」の達成を目指すことで,「真の社会・環境課題解決企業」へと進化していきます。

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