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テクノロジー解説室

独自の技術で進化を続けるコニカミノルタが、自社の技術や事業領域に関連するトピックを解説します。

食品業界のAI活用事例9選と解決できる課題を解説

食品業界のAI活用事例10選と解決できる課題を解説

近年、食品業界では、生産・流通・販売などさまざまな工程でAI(人工知能)が活用されています。例えば、社会的にも注目を集めている食品ロス問題や、商品開発における属人化といった課題に対する有効な解決策として、AIが注目を集めています。では、実際に企業ではAIがどのように活用されているのでしょうか。

本記事では、食品業界でAIが解決できる具体的な課題や、AIの活用事例9選を解説します。

AIが食品業界で解決できる課題

食品業界での長年の課題に対して、AIを活用することで効率的な解決策を見いだす動きが加速しています。下記では、AIが特に効果を発揮する代表的な4つの課題について解説します。

食品ロスの削減

食品業界では、食品ロスを解決する手段としてAIの需要予測が注目されています。

食品業界の現場で発生しているのが、需要と供給のミスマッチによる大量の食品ロスです。これを解決するためには、需要に合わせた高精度な生産計画や在庫計画を立案することが必要です。そこで、過去の販売データや気象情報、地域イベントの開催状況といった膨大なデータをAIで分析して、商品の需要を予測します。高精度の需要予測があることで、無駄な生産が減り、売れ残りによる食品廃棄を削減することが可能になります。

社会でも環境問題への意識が高まっているため、企業の食品ロス対策は社会的責任を果たすためにも重要です。AIの活用はその解決に有効といえるでしょう。

商品開発の効率化

食品業界では、商品開発をAIによって効率化することも可能です。

これまで、食品の味や風味の再現は、経験豊富なレシピ開発担当者のスキルやノウハウに頼るケースがほとんどでした。作りたい味の食品を開発するためには、原材料の配合や調整の方法を導くレシピが必要になります。経験豊富な担当者であれば、その経験や勘から思い描いた味を形にしたレシピを素早く考案できます。一方、経験不足の担当者では、理想の味を形にすることが難しく、レシピ開発に時間がかかるのが一般的でした。

昨今のAIの進展により、味覚に関するデータを客観的に分析して数値化することが可能になりつつあります。過去のレシピデータの蓄積に加え、味覚データも活用し、AIに分析・学習させれば、商品開発を今まで以上に効率化することが可能です。現在の国内の事例では、開発したい商品のコンセプトなどをAIに入力して狙っている味を指示すると、過去の開発製品のデータベースを参照して、狙っている味に近づけるための原材料の配合や調整を、AIが提案してくれるようにまでなっています。

これにより、経験豊富な担当者が少ない環境でも迅速に商品開発ができるようになります。スピーディーかつ一貫性のある開発体制を実現する上で、AIは欠かせないツールとなる可能性を秘めているといえるでしょう。

■AIによる商品開発の効率化のイメージ

官能評価については、下記の記事をご覧ください。
官能評価とは?検査手法の種類やメリット・デメリットを解説

販売戦略立案の効率化

AIは、食品業界での販売戦略の立案にも役立ちます。

食品業界では、消費者の購買傾向は日々変化しており、効果的な販売戦略の立案には高度な分析が求められます。AIを活用すれば、顧客の基本的なプロフィールや購買履歴を分析し、顧客ごとの嗜好や傾向を分析することが可能です。

この分析結果をもとに、ターゲットに合わせた販促施策や商品の提案を行うことで、販売機会の最大化が図れます。また、戦略立案にかかる時間も短縮され、迅速なPDCAサイクルの実現にもつながります。

検査の効率化

食品業界では、AIによって製品の品質検査や原材料の受け入れ検査を効率化することも可能です。

製造現場の原材料・製品の検査には多くの時間と人手がかかっています。ここでAIを活用すれば、例えば画像認識技術によって製品の外観検査や異物混入のチェックなどを自動で行い、人の手のみによる検査よりも正確で迅速な検査ができるようになります。

AIは、品質の安定化とともに、検査工程のコスト削減にも貢献できる技術といえるでしょう。

食品業界におけるAI活用事例

食品業界では、実際にAIを導入して成果を上げている事例もあります。AIを業務の効率化や課題解決に役立てた企業の事例を、9件紹介します。

回転寿司店における需要予測と食品ロスの削減

ある大手回転寿司チェーンでは、寿司皿にICチップを取り付けて消費量などに関するデータを収集し、AIで分析することで、食品ロスの削減に役立てています。リアルタイムで収集した膨大なデータを分析して、数分後の需要を高精度で予測できる仕組みを構築しました。

この取り組みにより、必要な量だけを適切なタイミングで提供できるようになり、食品ロスの削減に成功しています。

製パン業者における製品企画

ある大手製パン業者は、恋愛感情と紐づけた味を表現したパンの製品企画にAIを活用しました。恋愛リアリティ番組の会話データに加え、フルーツやスイーツが登場する楽曲の歌詞をAIで解析することで、消費者の恋愛感情と味のイメージを紐づけ、新しい製品のコンセプトに活かすというユニークな試みを実施しています。

この分析をもとに開発された新商品は、従来にはなかった切り口による製品企画として話題を集めました。AIの活用は、これまでは思いも寄らなかった商品のコンセプトを導く可能性があります。

酒類メーカーにおける商品開発

大手酒類メーカーでは、商品開発に特化したAIシステムを自社で開発しました。このシステムは、過去の商品開発で使用した原料や配合情報などのレシピを学習していて、新商品のコンセプトや開発条件を入力するとAIが最適なレシピを自動で提案してくれます。

実際に、このAIによるレシピ提案のアシストを受けて開発されたアルコール飲料が商品化され、市場に投入されました。

豆腐メーカーにおける検品

ある豆腐メーカーでは、製造ラインにAIによる自動検品システムを導入しています。大量の製品画像をAIに学習させ、従来の画像検査装置では条件が複雑すぎて判定しづらかった良品と不良品の違いを、正確に識別できるモデルを構築しました。そのモデルをもとに自動で不良品を検出・排除する工程を実現しています。

この取り組みにより、検品作業の精度とスピードが向上し、品質の安定化と作業者の負担軽減を同時に達成しています。

飲料メーカーにおけるパッケージデザイン開発

ある大手飲料メーカーでは、商品のリニューアルに際し、AIを活用したパッケージデザインを採用しています。パッケージのデザインは、協力会社が開発したパッケージデザイン用の画像生成AIシステムを活用して行われました。このシステムでは、キーワードやコンセプトを入力するだけで、AIが複数のデザイン案を自動生成します。

さらにこの事例では、AIが作成した多量のデザイン案を元にアイディエーションを行いデザイナーがブラッシュアップする手法でパッケージデザインを作成したほか、消費者から好まれそうなデザインの評価予測にもAIを活用して、最終デザインを決定しました。このようにパッケージデザイン開発にAIを活用することで、アイデアの幅が広がったり、合意形成がスムーズになったりするほか、デザイン開発期間の短縮化が見込めます。

通信キャリアによるAI需要予測サービスの開発

ある大手通信キャリアは、気象予測を専門とする企業と連携し、外食産業向けのAI需要予測サービスを開発しました。このサービスでは、携帯基地局から得られる人流データと気象データをAIで分析することで、店舗の来客数や需要を事前に予測します。

これにより、仕入れやシフト調整などの店舗運営を最適化し、無駄を減らすことが可能になります。

冷凍食品メーカーでの検査精度の向上

大手冷凍食品メーカーでは、原材料の異物を取り除く工程でAIによる画像検査システムを導入しました。従来の物理的な除去装置に加え、AIが画像データを分析して異物の混入を判定することで、検査の精度を向上させています。

従来の装置では判別が困難だった、鶏肉の血合いや羽も見逃さずに検出できるようになり、品質保証体制が強化されています。このように、長時間にわたり繊細な判断が求められていた原料検査の現場でも、AIの活用によって作業者の負担が軽減されています。

水産養殖業向けサービス会社によるスマート給餌機の開発

水産養殖業でも、AIによる作業の効率化の取り組みが導入されつつあります。

水産養殖業では魚の状態に合わせた給餌が重要ですが、従来の給餌の管理は、担当者の経験と勘に頼っていました。この点を改善しようと、水産養殖業向けサービス会社が、AIを活用したスマート給餌器が開発しています。スマート給餌機では、カメラ映像をもとに魚の動きや食欲を分析し、最適な量とタイミングで自動的に餌を与えることができます。

この技術により、餌の無駄を削減し、環境負荷を軽減することが可能となりました。

農業支援AIの開発業者による規格外野菜などの収穫予測システムの開発

農業の流通の現場でも、AIによって規格外品や余剰作物の収穫を予測するシステムが開発され、流通に活用されています。

農業の現場では、規格外品や余剰作物の廃棄も食品ロスの一種と考えられています。しかし、事前にどの程度の規格外品や余剰作物が出るのかがわからないという不確実性が、流通させるための課題でした。そこで、あるAI開発企業が、農園から入力された日々の栽培状況に関するデータをもとに収穫量や収穫時期をAIで予測し、規格外野菜などの流通プラットフォームに収穫前からその情報を掲載できるシステムを開発しています。

これにより、食品事業者は事前に規格外野菜や余剰作物に関する収穫量などの情報を得ることができ、必要な量を調達できる仕組みが実現しています。

AIを活用して食品ビジネスを改革しよう

AIの進化によって、食品業界が抱えるさまざまな課題の解決が可能になってきました。これからの食品ビジネスにおいて、AIの活用は競争力のある企業づくりに欠かせない要素となるかもしれません。

AIを活用したサービスを提供する企業も増えており、なかには食品業界向けに特化した業務支援ツールや解析ソリューションも登場しています。自社の課題に合ったサービスを選定することで、業務効率の向上や製品価値の強化といった成果につなげることが可能です。

コニカミノルタでは、官能評価では見分けにくい味わいの違いをAIで分析する「FLAIRS」という技術を提供しています。FLAIRSは、従来の数値化が難しい情報をAIで解析することで、商品開発や品質評価の場面で新たな気づきをもたらします。

また、コニカミノルタの「EX感性」は、消費者の購買意欲に影響するデザインの“売れる要素”をAIで評価・分析できるクラウドサービスです。パッケージや商品デザインの定量的な評価を可能にし、開発・マーケティング活動を強力に支援します。

ご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社の食品ビジネスをAIで次のステージへ導くお手伝いをさせていただきます。

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