1 概要
ユーザーが製品・サービスを利用する際に得られる体験(User Experience)や、製品・サービスが利用される具体的な状況や場面(Scene)(以降、2つをまとめて UXシーンとする)を顧客に分かりやすく伝えるために、3Dキャラクターを開発した。製品・サービスのUXシーン制作において、WEBサービスなどのストック素材では、一貫性のある人物や製品の画像を揃えることが困難で、調整にも工数がかかってしまう。本技術は、弊社オリジナルの3Dモデル(3Dキャラクター、製品3Dモデル)を活用することで、この課題を解決する。製品やサービスのUXシーンを含む説明資料を作る人には、効率的で柔軟な資料制作を提供、その資料を読む人には、一貫したビジュアルを提供して分かりやすい情報を伝達する。デジタルモデルは、汎用性を高めるために、社内共有ツールであるPowerPointでの活用を前提として最適化している。(Fig. 1)
Fig. 1 ストック素材とオリジナル素材の比較表
2 詳細
■構成
PowerPointで扱えるglb形式の3Dキャラクター及び簡略化した製品3Dモデルをラインナップしており、PowerPoint資料にドラッグ&ドロップしてインポートする。インポートした3Dモデルは、移動・回転・拡大で自由にレイアウトが可能なので、効率的に一貫性のあるシーンを作成することができる。(Fig. 2)
Fig. 2 PowerPointへ3Dモデルをインポートするフロー
■機能/特長/用途
1. 基盤設計
本3Dモデルは、PowerPointで汎用的に扱えるglb形式を採用し、社内の誰もが快適に利用できる環境を提供するために、軽量化データとして設計されている。この設計は、PowerPointでの活用を前提としており、社内における多用途での利用を可能にする。
2. キャラクターデザイン
本キャラクターは、親しみやすさと製品保持時のバランスとの両立を意図してデザインしている。各キャラクターには、複数のポーズを用意しており、キャラクターを活用して制作されるシーンのストーリー性を効果的に強化することができる。ラインアップは、グローバルな利用を想定して評価したものであり、部品組み換えによる効率的なバリエーション展開が可能である。(Fig. 3-7)
Fig. 3 デザインの変遷(グローバル利用を想定した評価)
Fig. 4 多事業対応:Business / Medical / Industry
Fig. 5 表情のバリエーション
Fig. 6 ポーズのバリエーション
Fig. 7 部品組み換えによる効率的なバリエーション展開
3. 製品3Dモデル
製品3Dモデルは、キャラクターのテイストに合わせるために簡略化しているが、実機のバランスを崩さない外観を保持するように設計している。(Fig. 8)
Fig. 8 製品3Dモデルの簡略化
4. UXシーンの作成
PowerPoint上でUXシーンを作成する際、3Dモデルを活用することで、ビジュアルに一貫性が生まれ、ユーザー体験のイメージをより伝わりやすく示すことが可能となる。(Fig. 9, 10)
Fig.9 3Dキャラクター活用前後
Fig. 10 UXシーン例
5.AIリップシンクによる3Dプレゼンテーション
3Dキャラクターの口の動きと生成AIで作成した音声を同期させるリップシンク技術の活用は、グローバルなプレゼンテーションにおける言語の壁を克服する。3Dキャラクターが英語でプレゼンテーションすることで、プレゼンターの英語力に依存せず、親しみやすく明瞭に情報を伝える事ができる。3Dキャラクターのアニメーションは、機材を揃えた撮影が不要で、AI音声は、録音が不要なので、スタジオレスで魅力的なコンテンツを制作することができる。(Fig. 11)
Fig. 11 リップシンク
■今後の展望
全社展開を進めながら、活用事例を収集して横展開することで相乗効果を高めていく。AIを活用することで、3Dキャラクター制作の効率化や、ユーザーが簡単にバリエーションを展開できる環境構築を目指す。