工場省エネ余地の自動提案技術
属人性を排除した余地診断で省エネをグローバルに推進
省エネ診断の属人化を解消
製造業における脱炭素に向けてさらなる省エネが求められています。省エネの技術・余地診断のノウハウは技術者に属人化しており、グローバル企業が世界各国の工場に対して省エネを展開することが難しいという課題があります。この属人化に対して設備状況から省エネ余地を提案する自動診断ツールを開発し、専門的な技術を有していなくても省エネを実行できるようにしました。これによりグローバルでの省エネを進めること、また技術者の育成が可能となり、CO2削減を飛躍的に拡大することへ貢献しています。
技術概要
製造業の工場では、コンプレッサー、クリーンルームなど汎用的な設備があり大きなエネルギー消費源となっています。これまでは人が省エネ診断をする際に設備の設定・仕様、稼働条件などを確認し、それぞれの条件を複合的に考慮した上で、省エネの施策・余地を提案していました。この診断の際の確認項目とそれらの複合的な判断方法をデジタル化し、誰でも決められた項目を入力することで、効果的な施策・その効果が自動で提案・算定されるツールを開発しました。このツールによって、コニカミノルタでは自社工場だけでなくお取引先様への省エネ提案と実行を行う「グリーンサプライヤー」活動を実行し、CO2削減に貢献しています。
省エネ余地の自動診断
製造業に潜む属人化
これまで製造業には優秀な技術者が多く、設備の保全・省エネにおいても技術者のカン/コツに依存して操業を行っていた背景がありました。しかしながらこれらの技術者が高齢化、退職をしていく状況の中で、「属人化の解消」がカギとなってきます。単なる業務の引継ぎだけでなく、技術者の思考の仕方を含めて後継していくことで安定した省エネの実行も可能となります。 同時に昨今重要視される脱炭素への取り組みでの、グローバルな技術伝承が必要となります。 これらの背景に着眼して、本技術は開発され、今後も多くのステークホルダーへ利用いただけるよう拡大をしていきます。