ガラス・樹脂ハイブリッドレンズ成形技術
双方のメリットを持ったレンズが省スペース・軽量な光学系を実現
一人二役のレンズが切り開く、新しい光学系の実現
ガラス・樹脂ハイブリッドレンズは、双方の材料の利点を併せ持ったレンズです。高度な光学特性を有しながら、1つのレンズで2つの特性を発揮できることから、光学系の部品点数を削減でき、結果的に省スペース・軽量な光学系を実現できます。
こうしたメリットを活かし、本技術は、XR(クロスリアリティ)グラスなどの新しい用途への展開や、デジタルカメラ交換レンズの小型軽量化などに貢献しています。
ガラスレンズは耐環境特性や熱安定に優れており、樹脂レンズは形状コントロールが比較的容易であるという長所があります。双方をハイブリッドすることで、両方の長所を活かしたレンズを提供することができます。また、コニカミノルタが提供する樹脂材料は、一般的な樹脂と比べて耐熱性が高く、後工程の制約を最小限にとどめることができるため、幅広い用途に利用できます。(例えば、実装工程ではん田を再加熱するリフロー工程にも対応可能です。)
技術概要
本技術は、ガラスレンズの上に樹脂レンズを成形し、両レンズを一体化する弊社独自の技術です。球面形状のガラスレンズに対して、樹脂を塗布したのち、金型を使って非球面形状の樹脂層を形成し、樹脂を硬化させます。こうして得られたガラス・樹脂ハイブリッドレンズは、ガラスと樹脂の特性を両立でき、耐環境特性に優れ、球面収差の少ない高精度なレンズとなります。
この独自技術を支えているのは、樹脂成型におけるミクロンオーダーの位置合わせ技術です。ガラスレンズと金型の位置を高い精度で調整することができるため、複雑な形状のガラスレンズに対しても、設計通りに樹脂層を形成できます。また、その他にもハイブリッドさせるガラス面の下地処理など、コニカミノルタが保有する多彩な技術(光学設計技術や光学材料技術、金型加工技術、薄膜技術、評価技術など)やノウハウを結集させ、本技術を実現させています。