お問い合わせはこちら

協業や技術に関して
お話しましょう

contact-icon
contact-icon

顧客との関係性を測定する手法(エンゲージメントモニタリング)の紹介

KONICA MINOLTA Technol. Rep. 2026, 23, 22

顧客との関係性を測定する手法(エンゲージメントモニタリング)の紹介 Visualizing Customer Relationships with Engagement Monitoring

  • 宮澤 恵美* Emi MIYAZAWA
  • 河野 ひろみ* Hiromi KOUNO
  • 池田 真輔* Shinsuke IKEDA
  • 北村 唯* Yui KITAMURA

*デザインセンター

1 概要

 我々コニカミノルタは、BtoBビジネスにおいて顧客エンゲージメントを重視している。しかし、従来のNet Promoter Score(NPS)1)や満足度調査といった単一指標では、十分に測定できない課題がある。そこで、当社の多様な事業特性(Fig. 1)に合わせた新しい測定手法を開発した。

写真

Fig. 1 コニカミノルタの事業構成

この手法は次の3つの要素で構成されている:
1. 関係性の数値化:顧客との関係性を5段階で評価し、当社認識とのギャップを把握。
2. 印象分析:顧客の当社に対する印象を8つの軸で測定し、強みと弱みを分析。
3. カスタマージャーニー評価:各段階のステークホルダー満足度を測定。

 これらを総合分析することで、改善すべき体験や強化ポイントを特定できる。さらに、業種や事業特性に応じて調査項目を柔軟に調整でき、関係者間で信頼性の高い洞察を得られる仕組みである。

2 詳細

■構成

 エンゲージメントモニタリングは、コニカミノルタと顧客の双方向の関係性を測定・分析する手法であり、下記の3つの構成要素から成り立っている。
①関係性の数値化:コニカミノルタと顧客(ステークホルダー)との関係性のスコアリング
②印象分析:顧客エンゲージメントに影響を与える8つの印象因子のスコアリング
③カスタマージャーニー評価:カスタマージャーニーの各段階のステークホルダー満足度のスコアリング
(Fig. 2)

写真

Fig. 2 エンゲージメントモニタリング

■機能/特長/用途

 本エンゲージメントモニタリングの3つの構成要素を図解する。

①関係性の数値化:コニカミノルタと顧客(ステークホルダー)との関係性のスコアリング(Fig. 3)

写真

Fig. 3 ステークホルダーごとの関係性

・測定:顧客のステークホルダー(経営層・管理職・現場担当者)から、設問(Fig. 4)を用い、5段階評価で回答を得る。一方で、コニカミノルタ側も顧客の回答予測値をスコアリングする。
・分析:ステークホルダー別に、コニカミノルタ予測値と顧客側実績値をプロットし、両者のギャップを発見することによって、思い込みと現実の差を可視化する。その後この図を基にそこに潜む原因を関係者で探り、解決策の仮説を立てることが可能になる。

写真

Fig. 4 関係性評価の5段階

②印象分析:顧客エンゲージメントに影響を与える8つの印象因子のスコアリング(Fig. 5)

写真

Fig. 5 顧客エンゲージメントに影響を与える8つの印象因子

・測定:人・モノ・カネ・情報の4要素それぞれについての機能面と感情面、合計8つの 軸について、設問(Fig.6)を用い、5段階評価で回答を得る。
・分析:8つの軸の点数をレーダーチャートで表示し、強み弱みを定性データと併せて考察する。通常は、人・モノ・カネ・情報の4要素を機能面だけで分析、もしくは機能面と感情面を分離せずにスコアリングすることが多く、問題特定を困難にすることがあるが、この手法では4要素の機能面と感情面を積極的に分離し可視化することによって、問題特定の精度を高めることが可能になる。

写真

Fig.6 8つの印象因子の評価軸

③カスタマージャーニー評価:カスタマージャーニーの各段階のステークホルダー満足度のスコアリング(Fig. 7)

写真

Fig. 7 各ステージの満足度

・測定:顧客のライフサイクルをいくつかの主要ステージ(興味関心、比較検討、契約締結、導入、運用開始、運用定着、契約拡大)に分解し、それぞれの段階について、ステークホルダー毎に満足度を5段階評価で回答を得る。
・分析:ジャーニーの各段階でのステークホルダー満足度を見える化し、「どの層の誰が・どの段階で・何に不満か」まで突き止められるため、改善策を現場レベルまで落とし込みやすくすることが可能になる。

■今後の展望

 既に社内で誰もが活用できるよう、ツールガイドと使い方動画を制作し公開を完了している。今後は多様な事業での活用と分析の効率化を進める。また、エンゲージメントとビジネス指標を掛け合わせた二次分析を検討し、柔軟性と精度をさらに高める。

●参考文献

1) Bain & Company, Inc. NPS:Net Promoter Score. https://www.netpromotersystem.com/about/

\技術提携・共同研究に関するご相談を、
専門チームが対応します/