AI時代のケミカルセンサー～蛍光分子による多次元データ取得～

無数の蛍光プローブがどんな違い・変化も見逃さない

AI解析を前提とした、汎用的なデータ収集手法を開発

コニカミノルタが開発した蛍光分子センサーは、多様な分子を駆使して測定対象との相互作用を膨大なデータとして一括取得し微細な変化を検知します。従来、このような膨大なデータの解析には多大な負荷がかかっていましたが、AI解析との組み合わせにより即座に有用な情報へと変換できるようになりました。

また、従来の化学センサーでは、まず人間が特定の変化や影響因子を解明し、それを捉えるためのセンサーを「1対1」対応で開発する必要があったため活用シーンが限定されていました。一方、本センサーは多様な分子ライブラリから膨大な多次元データを生み出すことで人間が理解困難な現象まで確実に捉えることができます。影響因子を事前に特定するプロセスが省略でき汎用性の高い手法となっています。

こういったAI解析を前提とした革新的なデータ収集手法に対し分子設計からアプローチした本技術は、写真フィルムなどの開発により長年培われてきた材料技術を有するコニカミノルタだからこそ実現できたものです。

技術概要

汎用性の高い分子センサーを開発するには、異なる相互作用を正確に識別できる多様な蛍光プローブが必要です。コニカミノルタでは、300種類以上の蛍光分子ライブラリーから、測定対象に最適な分子プローブを選定するための高度な技術とノウハウを有しており、無数の蛍光プローブを効率的に作り分けています。これらのプローブは、発光色や発光メカニズム、相互作用の種類などを考慮して設計されており、測定対象に応じて最適に選定されます。

このようにしてコニカミノルタが作成した蛍光プローブは、測定対象からの電荷や構造的親和性に反応して、その構造を変化させます。その結果、発光強度や発光色がほぼ連続的に変化し、RGBデータとして記録されます。これにより、数百次元にわたる情報が集積され、AIによる解析に用いられます。

コニカミノルタでは、データ測定からAI解析まで一貫して対応可能な液体評価ソリューション「FLAIRS」の開発を進めています。詳しい技術に関しては、関連技術のリンクをご覧ください。