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テクノロジーレポート 2024

テクノロジーレポート March 2024

Technology Report Vol.21, March 2024

目次

  • 巻頭言

    コニカミノルタの技術で実現するサステナブルな未来

    コニカミノルタ株式会社 代表取締役社長

    大幸 利充

    創業150周年を超えた今、コニカミノルタは4つのコア技術の融合と進化により、サステナブルな未来社会の実現に向けた確かな一歩を歩み出しています。今回のテクノロジーレポートでは、あらゆる社会・環境課題解決に向けた5つのマテリアリティ(重要課題)に関する技術や、その応用事例を紹介する内容を集めました。これら技術をもとに今後も着実に事業成長を遂げながら、皆様に価値を提供し続けてまいります。

    大幸 利充
  • 技術論文・技術紹介

    *は技術論文、無印は技術紹介

    • インダストリー

      • 自動車塗装外観検査システム

        • 藤代 一朗
        • 永山 敬一
        • 内藤 勇太
        • 柴谷 一弘

        コニカミノルタのグループ会社であるEines社が開発した、自動車塗装外観検査システムを紹介します。本システムは当社の光学・シミュレーション技術を導入してリードタイムの短縮や機能向上を実現したもので、検査の自動化による人手不足などの社会課題解決に貢献しています。

      • 射出圧縮成形技術の光学レンズ適用

        • 森 基
        • 浅見 哲一
        • 今津 賀文
        • 江原 宜伸

        VRゴーグル用や車載カメラに用いられるプラスチックレンズの射出圧縮成形法について紹介します。従来困難だった低複屈折、薄肉・偏肉のレンズの製造を可能とする本技術を幅広い製品に応用し、今後も社会の「みたい」の実現に貢献していきます。

      • フォトレジスト描画機に適応したハイプレシジョンフォトプレート(高解像ガラス乾板)の市場提供

        • 守屋 友伸

        ICパッケージ基板などの製造に欠かせないガラス乾板の新技術を紹介します。ガラス乾板に用いる微粒子設計を一新することで、近年主流化しつつあるレーザーダイレクトイメージャー(LDI)を用いた描画法への対応と得られる画像の高解像度化を実現しました。

      • 高輝度プロジェクター光学技術

        • 九良 啓介

        高密度薄膜技術と大光量下での温度特性に対する動的補正機構について紹介します。本技術に更に磨きをかけ、デジタルシネマやライブイベントでのプロジェクションマッピングに使用される超高輝度な商用映像プロジェクターの発展に貢献していきます。

      • ガス流量推定技術の開発

        • 浅野 基広
        • 森本 隆史

        画像からガス流量を推定できる技術について紹介します。本技術を搭載したハンディー型ガスカメラは、温室効果が高く排出量の削減と管理の強化が求められるメタンガスの流量の推定にも活用できるため、地球温暖化防止への貢献が期待されています。

      • ため池防災対策用監視システムの開発 ~オープンイノベーション型開発の採用事例~

        • 吉澤 将則
        • 河野 高廣
        • 長田 智

        カメラ遠隔監視を軸とする自治体向けのため池防災ソリューションを紹介します。社外技術や地域特性に合わせたノウハウを積極的に取り入れるオープンイノベーション型の開発体制を採用することで、社会の安全・安心確保に資するソリューションの迅速な導入を実現しています。

      • TextGuide: 説明文に基づくゼロショット長期間行動解析システム*

        筒川 和樹・佐藤 文彬・八馬 遼・関井 大気

        長期間の映像から人物の行動を解析する新たなシステムの検証結果を報告します。ゼロショット行動認識手法と大規模言語モデルを文章を介して結合することで、ユーザーが文章で指示した行動解析タスクに対して、追加学習なしに適用できることが示されました。

      • 視覚言語事前学習と推論で共通のDNNを用いる一般化Few-Shot物体検出*

        長野 紘士朗・佐藤 文彬・八馬 遼・関井 大気

        大規模データの学習を用いることでAIモデルの再学習なしに特有の物体検出を実現する手法を紹介します。本手法は、学習コストの削減に加え、工場や水族館などの特殊な環境での物体検出や、職人の視点で異なる物体を区別する高度な物体識別を実現します。

      • 画像認識AIによるFORXAI Safety Solution for Smoke Detectionの開発

        • 藤田 潤一
        • 中島 一寿
        • 山野 文子
        • 浅野 基広
        • 久保田 博一

        小さな煙も検出できるアプリケーションFORXAI(フォーサイ)Safety Solution for Smoke Detectionを紹介します。本アプリケーションは、サーマルカメラではカバーできない火災の早期発見が可能なため、社会の安全・安心確保への貢献が期待できます。

    • ヘルスケア

      • 患者と繋がる「infomity スマートクリニック」による治療継続、重症化予防の実現

        • 島内 あきら

        生活習慣病の重症化予防を実現するサービスについて紹介します。本サービスは患者と医療機関のコミュニケーションの強化により患者の意識改革や行動変容を促進し、結果として健康寿命延伸による医療費高騰などの社会課題の解決に貢献します。

      • クラウドPACS・高付加価値ソリューションによる健診業務DXの実現

        • 森 秀平
        • 松下 航
        • 南 寛威
        • 中森 洋
        • 芳野 裕規
        • 篠原 慎伺

        巡回健康診断向けのクラウドAIソリューションを紹介します。本ソリューションはクラウドを介したシームレスなデータ転送とデータ管理および読影業務の効率化を実現し、プライマリケアにおいて重要である一方で現場の負荷の大きい健診業務に革新をもたらします。

      • チーム医療に貢献するCamera Link機能、Image Share機能の開発

        • 酒井 崇
        • 酒井 智仁
        • 糠谷 優之
        • 岡 敏夫

        超音波診断装置に搭載した、医師とスタッフ間の検査結果の共有を支援する機能を紹介します。検査時のカメラ画像を超音波画像と一緒に記録できるCamera Link機能と、それらをスタッフ間で共有するImage Share機能により、チーム医療の質を向上します。

    • プロフェッショナルプリント

      • 状態空間モデルを用いた機器の状態判定*

        • 橘 優太
        • 田尾 祥一
        • 張 光栄
        • 植田 忠行

        産業用印刷機器の状態判定モデルについて紹介します。機器の異常・正常時両方のセンシングデータを用いた本モデルの適用により、これまで予測が困難だった印刷機器の状態を定量的に評価することが可能となりました。

      • 高速デジタルラベル印刷機 AccurioLabel 400 の開発

        • 服部 真人
        • 山中 大樹
        • 川中子 隆
        • 酒巻 務
        • 内田 悠司
        • 上田 隼也

        高速・長距離印刷が可能なデジタルラベル印刷機 AccurioLabel(アキュリオ ラベル)400を紹介します。本機種は当社初の白色トナーや品質最適化ユニットの採用など各種機能と性能の向上が達成されており、熟練労働者の減少という社会課題の解決への貢献が期待できます。

      • アディティブマニュファクチャリングの量産適用に向けた造形技術開発

        • 高木 信
        • 木元 豪太
        • 齊藤 晴之
        • 大島 亮
        • 原 新一朗

        量産工程へのアディティブマニュファクチャリング(AM)の適用に向けた取組を紹介します。中でも設計・生産自由度の高いパウダーベッドフュージョン方式のAMは、部品の高機能化と低コスト化を実現する当社の今後の主要な生産技術として期待できます。

      • トナーボトルへの再生材適用拡大による環境貢献

        • 川久保 光洋
        • 米田 尚人

        廃棄されたミルクボトルを原料とするトナーボトルの安定成形技術とその事例について紹介します。データサイエンスも活用した本技術の適用により、原料の品質由来の不良発生が解消できるため、環境負荷低減への貢献が期待できます。

    • デジタルワークプレイス

      • Deep Learningを活用した外観検査の精度向上

        • 立花 真唯
        • 田畑 拓也
        • 大江 睦人

        教師なし学習と教師あり学習を生産工程の外観検査に段階的に導入する手法と検証事例を紹介します。本手法により、不良品画像の不足する量産開始時からDeep Learningによる画像検査が可能となり、安定生産までの過渡期における判定精度の向上が期待できます。

      • 複合機のネットワーク制御 NICFUMの開発

        • 大羽 伸
        • 穐田 勝彦
        • 山本 太郎

        複合機のネットワークセキュリティーを強化する技術を紹介します。本技術により最新のネットワークプロトコルの隠蔽化や独立したモジュラリティー構成によって、顧客が安心して使用できる複合機をスピーディーに開発することができます。

      • 社会のナレッジDXを実現する「COCOMITE」を支えるBizDevOpsによる開発

        • 山中 智雄
        • 内藤 靖文
        • 中村 圭
        • 高松 萌香

        オンラインマニュアル作成・運用サービス「COCOMITE(ココミテ)」上市のために構築した体制とその効果について紹介します。ビジネス、開発と運用の密な連携により、サービスの持続的な事業成長と日々変化する環境への柔軟な対応を実現します。

    • コーポレート

      • 分子計算とMIアプローチを融合した新規化合物の探索と材料設計

        • 服部 達哉

        分子シミュレーションとマテリアルズ・インフォマティクス (MI) を用いた材料開発の社内事例を報告します。これまでに材料探索の高効率化や既存化合物の用途展開およびDFT計算を用いた新規物性・特性の発見などに成功しており、材料開発におけるDX化を実現しています。

      • 5G環境における超低遅延の映像伝送技術と実証例

        • 朝本 憲昭

        50msの超低遅延で4K高精細映像を伝送可能なカメラシステムに搭載された技術を紹介します。また、ロボットカーの遠隔制御とAIを用いた遠隔監視の検証結果から、今後の映像伝送における本技術の有用性が示されています。

      • 電子写真プロセスの高機能デバイス「現像ローラー」における高難度材料の加工生産技術開発*

        • 阿久津 大
        • 高木 寛司
        • 内藤 篤

        情報機器の重要な部品である現像ローラーの新たな生産プロセスについて報告します。AIの活用に加え、成形金型の剛性の改善や成形条件の最適化を進めることで、製造難易度の高い現像ローラーの現行品以上の品質と成形安定性を実現しています。

      • 未来ビジョンの共創に関する取り組みの紹介

        • 澤口 冬威
        • 長田 彩加人
        • 宮崎 寛久
        • 神谷 泰史

        コニカミノルタで取り組んだ、企業の歴史を起点とした未来ビジョンの共創手法を紹介します。意味のイノベーションやスペキュラティブ・デザイン、トランジション・デザイン等を参照した独自アプローチで、独自性と蓋然性を両立した未来のありたい姿を導きます。

      • 共創活動を促進する多層的ワークショップ手法

        • 北村 唯

        コニカミノルタの提案した、複雑な議論の内容と経緯を多層的に可視化するワークショップ手法を紹介します。本手法は層状に配置した複数の透明ボードと付箋を用いてブレインストーミングを進行するもので、参加者全員の焦点を揃えた議論を実現します。

  • 研究開発活動

  • ※執筆者の所属名や役職等は、発行当時のものです。
    ※テクノロジーレポートに掲載している情報は発行当時のものです。開発、製造、サービスを終了している可能性がありますこと、ご了承ください。

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